知らぬ間に進行していく虫歯に要注意!痛みを感じにくい虫歯とは?
健康的な生活を送るためには、虫歯のない健康な歯を維持することが重要です。一般的に、「虫歯は痛い」というイメージが強く、大半の方は痛みが出てから歯科医院へいくことが多いでしょう。
しかし、虫歯には進行の早い虫歯と進行の遅い虫歯の2種類があるのです。特に、大人の虫歯は進行が遅いタイプの虫歯が多いので、気付いたら虫歯が神経にまで達していたなんてケースもあるのです。
そこで今回は、意外と見落としがちで危険な、進行の遅い痛みを感じにくい虫歯についてご紹介します。虫歯をしっかり防いで健康な歯を維持したいという方は、ぜひ参考にしてくださいね。
痛みを感じにくい虫歯とは?
虫歯は、虫歯菌が放出する酸によって歯のエナメル質がどんどん溶かされていく歯の病気です。
子供の歯は大人の歯に比べて柔らかく、神経も太いため、虫歯による痛みを感じやすいです。そして、虫歯の進行がかなり速いのが特徴です。
しかし、大人の虫歯は痛みが出にくく、虫歯がじわじわと進行していく場合が多いので、自覚がなく、気付いた時には神経にまで虫歯が達しているケースも多いのです。
【進行性の虫歯】
急スピードで進行する虫歯のタイプを、急性う蝕と言います。このタイプの虫歯は、幼い子供に多く見られ、生え始めの永久歯や乳歯がなりやすいです。
このタイプの虫歯になると、虫歯になっている歯の部分が白くなり、柔らかくなっていきます。また、穴が開いていることも多く、進行も早いので早めに歯科医院で治療する必要があります。
【停止性の虫歯】
進行がゆっくりと遅く、気付きにくい虫歯を慢性う蝕・停止性う蝕と言います。大人の歯に多く見られる虫歯で、色が黒く硬い状態になった虫歯です。
停止性の虫歯は痛みを感じることが少なく、進行がかなりゆっくりと進むことが特徴です。しかし、痛みがなくても歯が黒くなっていたり、何か違和感を感じたら早めに歯科医院で相談することがおすすめです。
痛みを感じなくなったら要注意!
「歯に穴が開いていて黒くなっているけれど、痛みはまったく感じない」「はじめは痛かったけれどしばらくすると痛みが引いた」という場合は、すでに神経が死んでしまっている可能性があります。
歯の神経が死んでしまっていると、虫歯が進行しても痛みを感じることはありません。
この状態はC4と呼ばれ、虫歯の最終段階になるのです。
どんなに痛みがないからといってそのまま放置してしまうと、虫歯菌が徐々に深くまで進行し、歯茎が腫れて膿が溜まってしまい、蓄膿症を引き起こしたり、最悪の場合は虫歯菌が血液にまで入り込み、全身にめぐって脳梗塞などの深刻な病気を引き起こすケースもあるのです。
虫歯は一度進行すると、どんなに痛みがなくなっても自然と治ることはありません。必ず歯科医院で適切な治療を受けてくださいね。
虫歯予防のために大切な歯磨き
痛みを感じににくい虫歯を防ぐために大切なのはなんといっても歯磨きです。虫歯予防と歯の強化のためにも、正しい歯磨きの方法を覚えておきましょう。
【歯磨きは歯と歯の隙間は念入りに】
細菌が繁殖しやすい奥歯や歯と歯の隙間は念入りに磨くようにしましょう。
歯茎が後退している方は、歯と歯茎の境目の歯周ポケットも念入りに磨きましょう。しかし、歯茎を強くこすってしまうと歯肉炎を引き起こしたり、歯周病を悪化させる恐れがあるので、境目には毛先の細いタイプの歯ブラシを軽く当て、小刻みに動かすように磨くと良いでしょう。
【フッ化物配合の歯磨き剤がおすすめ】
毎日の虫歯予防には、フッ化物(フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化スズ)が配合された歯磨き剤がおすすめです。
フッ化物は歯質そのものを強化する効果もあるため、歯質が弱くて虫歯になりやすいという方にも最適です。
しかし、歯磨き剤だけでは即効性があるわけではないため、歯を強くするためには継続して使用することが大切です。
また、歯磨きの後に口を何度もすすいでしまうと、歯に付着したフッ化物まで洗い流されてしまうため、歯磨き剤の不快感が残らないくらいに軽くすすぐようにしましょう。
さらに、歯磨き後はすぐに食べたり飲んだりしないことが重要です。
【就寝前の歯磨きは特に念入りに】
口の中の細菌がもっとも繁殖しやすい時間帯は、身体がゆっくり休まる睡眠中です。
歯磨きをしないと寝てしまうと、起床時に細菌が何十倍にも増えてしまうのです。
朝やお昼の歯磨きは、仕事や学校、家事などで忙しいこともあり、短時間で済ませてしまいがちですが、就寝前の歯磨きは念入りに少し時間をかけて、歯間ブラシなどのアイテムを使って、丁寧に磨くことを意識しましょう。
食生活にも気を付けよう
虫歯を防ぐには、毎日の食生活を見直すことが大切です。
その一つとしては、細菌の栄養となる糖質を摂取しすぎないことです。間食やデザートで甘いものを食べることが習慣となっている方も少なくありません。
しかし、このような食習慣は口の中に細菌が活動しやすい環境を知らず知らずの内に作っていることになります。
予防策としては、こまめに歯を磨く、甘いものを控えめにする、代替甘味料を使ったものを食べる、などです。
また、糖尿病になると虫歯になりやすくなります。糖尿病になると唾液が少なくなったり、歯周病の発生から歯茎の後退が起こることもあり、虫歯の増加の原因となります。
糖尿病を改善して、虫歯を防ぐためにも、糖分の制限など食生活の見直しが大切です。
さらに、食生活で気を付けたいことはよく噛んで食べることです。よく噛んでゆっくり食事をすることは肥満の予防になり、糖尿病の改善にもつながります。
健康的な生活を送るためにも大切なポイントとなるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
大人の歯は、痛みを感じにくい虫歯が起こりやすいので注意が必要です。口の中に違和感があっても痛みが無いからと言って油断しないで、必ず歯科医院で適切な処置を受けましょう。
また、毎日の歯磨きや食生活を見直すことも大切です。
ぜひ、生活習慣に気を付けて、いつまでも健康で強い歯を大切にしてくださいね。